気候変動対策において、2030年までは「決定的な10年」と言われ、世界の気温上昇を1・5度に抑えるために現役世代の努力が重要だ。そして、2050年までの脱炭素社会実現に向けては、将来の主役となる子どもたちの協力が大切である。
県地球温暖化防止活動推進センターと県気候変動適用センター事務局のゼロカーボンとっとり(大野木昭夫センター長)は、小学生をターゲットとした啓発活動を展開している。本年度は「こどもゼロカーボンチャレンジ」の一環で、将来の脱炭素社会を描いたイラスト募集や環境すごろくの配布などに取り組んだ。
さらに環境学習の充実に力を入れている。とっとり自然環境館を拠点に「こどもエコツアー」を企画し、再生可能エネルギーに関わる「とっとり次世代エネルギーパーク」の施設見学を実施した。
子どもたちは太陽光発電や風力発電などの現場を訪れ、発電や給電の仕組みを学び、脱炭素に直結する再生可能エネルギーの重要性について理解を深めた。また、江府町に今春開校した奥大山自然塾と連携したツアーも組んでいる。奥大山の恵まれた自然の中で、森林の役割や地球環境の変動を“五感”で感じ、自分たちにできる環境保全活動を考え合った。
大野木センター長は「子どもたちが地球温暖化防止に対して関心を持つことは、ますます重要度を増している。エコツアーを通じた環境学習では、地球環境に対する興味を引き出しながら意識を高めることができた。今後は学校と連携した学習機会を設けていきたい」と意気込む。