みんなのエコ宣言プロジェクト

地域根差した創エネ省エネ

自社開発のエネルギーの見える化システムを紹介する
担当の高橋泰郎部長

 脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーや省エネルギーの取り組みを積極的に展開するエナテクス(倉吉市)。県が進める「とっとりエコライフプラチナパートナー」登録企業でもあり、太陽光発電の普及や省エネ化サポートなど地域に根差した取り組みを多角的に推進する。

 県内でいち早く手がけた太陽光発電と農産物栽培を同時に行うソーラーシェアリングは、常緑キリンソウの委託栽培から始めた。現在、シイタケの原木約7200本を栽培し、「サンシェードプリンス」と名付けて商品化。雇用創出にもつながっている。昨年からはドクダミ栽培を始め、拡大も計画する。

 自社の再エネ導入にも積極的だ。北栄オフィスの電力を太陽光発電で賄い、蓄電池も設置。社屋を高断熱仕様にし、LED照明や高効率空調などの省エネ設備を整え、創エネと省エネで消費エネルギーを正味ゼロとする「ZEB(ゼブ)」を実現。エネルギー消費を「見える化」したシステムを自社開発し、社員もエネルギー収支が把握できる環境を整える。

 また、地域の脱炭素化も目指し、企業向けの無料省エネ診断にも取り組む。エネルギー削減につながるアドバイスや省エネ提案を行うことで、実践できる具体的な省エネ項目の把握に役立ててもらっている。

 同社は地域への再エネ供給を目指す新電力会社「鳥取みらい電力」にも参加。4月から北栄町、5月から琴浦町の公共施設に電力小売りを行い、一般家庭への販売も視野に入れている。牧野健治専務(59)は「経済的で地球環境に優しい取り組みを進めている。創エネと省エネの双方でゼロカーボンにつなげたい」と話す。

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