みんなのエコ宣言プロジェクト

再エネ活用しサバ養殖

再エネを活用したサバ養殖に挑むタシマボーリング(コラージュ)

 海水温上昇など漁業環境の変化に伴い近年、注目される陸上養殖。岩美町網代港にある施設では、井戸工事などを手がける「タシマボーリング」(鳥取市)が再生可能エネルギー(再エネ)を活用したサバ養殖に挑んでいる。

 同施設ではJR西日本が「お嬢サバ」と名付けサバを養殖していた。この施設のボーリング調査や地下海水をくみ上げる管理を担っていたタシマボーリングが、2021年4月に事業を引き継いだ。

 敷地内に掘られた100メートルの深井戸で、飼育に重要な水温維持を目的とした地中熱利用システムを設置し、自社技術を生かした養殖方法の取り組みを試験的に行っている。飼育に使用する海水は地下10メートルからくみ上げた地下海水。赤潮などの影響を受けにくく、アニサキスなどの寄生虫のリスクが少ない利点がある。

 鳥取県がアンバサダーを務め、中小企業などが全使用電力の再エネ転換を目指す「再エネ100宣言RE Action」に参加している同社。国や県の補助金を活用し、昨年6月に太陽光パネルを水槽屋根に設置。海水をくみ上げるポンプなどで日中に使用する電力の約50%を自給している。

 環境に負荷をかけない持続可能な養殖を目指す同社は「お嬢サバ」と並ぶ新たなブランド「さばみちゃん」の飼育にも知見を蓄えているさなか。田島大介社長(53)は「再エネでの完全生育が目標。こだわりのサバを育て、地域の活性化にもつなげていきたい」と今後を見据える。

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