みんなのエコ宣言プロジェクト

再造林で木の若返り推進

エリートツリーの採種園とCO2固定量を見える化した認証書
(コラージュ)

 森林と木材資源の活用は、二酸化炭素(CO2)の吸収・固定につながる取り組みとして注目される。鳥取県内ではスギなどの人工林の半数以上が主伐期を迎えており、このまま木の少子高齢化が進めばCO2の吸収量が減り、地球温暖化を防止する森林の機能が十分発揮されない。

 県は皆伐再造林による若返りを推進しており、補助制度の充実により、2030年度には年間320ヘクタールの若返りを見据える。木の若返りを進める中でネックなのが、長期間にわたる維持管理や経費負担。そこで成長が早い「エリートツリー」を育成し、再造林に使うスギ、ヒノキの苗木の生産体制を強化している。昨年、日本製紙(東京都)が倉吉市に採種園を整備した。採種園の管理や苗木生産は県山林樹苗協同組合が行うこととしており、地元組合との協業は全国初で、県内外の需要を見極めながら、将来的には年間100万本の苗木供給を目指している。

 環境経営に力を入れる企業も増えている。県は「J-クレジット」の販売が好調で、全国でもトップクラスの実績を誇る。また、「とっとりカーボンストレージ認証制度」では、県産材を使用したオフィスや店舗などの「非住宅建築」の建築主に対して、CO2固定量を評価し、認証書を交付。昨年1月以降、福祉施設や医療機関など11団体が認証されており、建築物の木造化が進んでいる。今後は里山の整備、子どもを対象にした出前授業や植樹体験、木育などを通して、森の恵みを次世代につないでいく。

上部へスクロール